


日本国内の林業機械の多くはアッタチメントのみを交換したクローラー式の建設用重機が中心となっています。しかしながら、ドイツ、オーストリアをはじめとしたヨーロッパ諸国ではホイール式のトラクタをベース車両としたハーベスタ、プロセッサが多く普及しています。
林野庁『森林・林業再生プラン実践事業』により、ヨーロッパの先進林業機械の導入が図られ、ベース車両の違いによる作業効率の検証がなされています。ここでご紹介するドイツ国コッチェンロイター社のトラクタは既に平成23年に広島県西部地区に導入され、トラクタを活用した木寄せ・集材の作業システムの開発・検証がなされています。
森林・林業再生プラン実践事業では全国11地域に欧州の先進林業機械が導入され、その中でも北海道鶴居地区、静岡県富士地区、広島県西部地区、高知県香美地区、宮崎県椎葉地区の計5地域ではトラクター系高性能林業機械が導入されました。広島県西部森林組合によるトラクタ系集材システムの取組事例の詳細については林野庁「森林・林業再生プラン実践事業について」の「各地区の取組の詳しい報告」をご覧下さい。
コッチェンロイター社は1978年創業。ドイツのNeufang、PlauenとSaxoniaの3箇所に工場を所有し、本社のあるNeufang工場では油圧式クレーンの生産および最終組み立てを、PlauenとSaxioniaにある2つの工場では運転室およびその他保護装置の生産をおこなっています。ベース車両となるエンジン、トランスミッション、シャーシは米国・ジョンディア(John Deere)社製から供給を受け、その他の部品はコッチェンロイター社で完全に分解・組付けされ、全く新しい林業専用トラクタへとチューニングしている高性能林業機械メーカーです。
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短幹の集材・搬出に適したシステムのご紹介